2011・08・22
音波から磁気の流れを創り出すことに成功 ─省エネルギー・新機能電子デバイス技術開発に道─ |
2011・09・02
地球内部の水の貯蔵庫が10億年以上 存在し続けていた証拠を発見 |
本学金属材料研究所の内田健一(博士後期課程3年)、齊藤英治教授らは音波の注入によりスピン(磁気)の流れを生成できる新しい手法を発見しました。この方法により、非磁性の絶縁体材料からも電気・磁気エネルギーを取り出すことが可能になり、スピントロニクスデバイスの設計自由度の向上や、環境負荷の極めて小さい次世代省エネルギー電子技術開発への貢献が期待されます。研究成果は、英国科学誌 Nature Materials のオンライン版(8月21日付)に掲載されました。 |
本学大学院理学研究科・地学専攻の栗谷豪特任准教授(現:大阪市立大学理学部地球学科・准教授)と大谷栄治教授は、海洋研究開発機構・地球内部ダイナミクス領域・木村純一チームリーダーとの共同研究で、地球内部のマントル遷移層に、10億年以上もの長期間にわたり水が安定に貯蔵されていた証拠を、世界で初めて明らかにしました。これは、中国北東部に分布する火山岩の成分の解析によって見出されました。この成果は、英国の科学誌 Nature Geoscience のオンライン版に掲載されました。 |
2011・09・27
生命の起源:『化学進化』は海底地下で起こった ! ─高温高圧条件下におけるアミノ酸のペプチド化を解明─ |
2011・09・20
血管新生を誘導するメカニズムの発見 ─動脈硬化性疾患の治療法開発への期待─ |
本学大学院理学研究科の大竹翼助教・掛川武教授らは、独立行政法人物質・材料研究機構と共同で、高温高圧条件でのアミノ酸の重合実験を行い、タンパク質の元となるペプチドが単純なアミノ酸から生成されることを明らかにしました。これは、タンパク質の元となる物質の生成が原始地球の海底地下で起きていたことを示唆し、単純な有機物が濃集した後、海底堆積物の過程でより複雑な有機物へ進化したとする説を支持しています。この成果は、米国学術誌 Astrobiology のオンライン版で公開されました。 |
東北大学病院がんセンター・大内憲明センター長(教授)、同病院・濱田庸医員、同医学系研究科・権田幸祐講師らの研究グループは、血管新生の仕組みを世界最高精度で解析できる光学装置を開発し、分子レベルでの生体観察を実行。その結果、血管内皮増殖因子受容体のわずかな発現量の差が持続的な血管新生を誘導するメカニズムを発見しました。これは従来の概念とは異なり、動脈硬化性疾患の治療法開発への応用が期待されます。この成果は生命科学分野の学術誌 Blood にオンライン掲載されました。 |
2011・09・30
超高密度ハードディスク用巨大磁気抵抗素子の開発 ─次世代ハードディスクに適用する技術─ |
2011・010・12
世界初、最短カーボンナノチューブ光学活性体の化学合成に成功 |
本学大学院工学研究科(工学研究科長:内山勝)の大兼幹彦准教授、安藤康夫教授らのグループは、1平方インチあたりの記録密度が5テラビットクラスの、超高密度ハードディスク(HDD)の情報読み出し用ヘッドとして期待が大きい、面直通電型巨大磁気抵抗素子(CPP-GMR素子)の飛躍的な性能向上に成功しました。現在、大容量情報記憶へのニーズがますます高まり、開発したハーフメタルCPP-GMR素子は、その要求を満たす超高密度ハードディスクの実現に、大きく寄与するものと注目されます。 |
本学大学院理学研究科化学専攻の磯部寛之教授らの研究グループは、らせん型最短カーボンナノチューブのボトムアップ合成に世界で初めて成功しました。有機合成化学を駆使した手法により、右巻・左巻らせん型を含む6種の最短カーボンナノチューブを合成し、それぞれの分離、完全構造決定に成功したものです。光学活性となる最短カーボンナノチューブの世界初の合成・単離例となり、英科学誌 Nature Communications に発表されました。 |
2011・10・13
光が作るスピンの塊り ─磁石でないものを光で磁石にする─ |
2011・11・04
遅延型アレルギーを抑えるドレス細胞の発見 |
本学大学院理学研究科の石原純夫准教授らのグループは、光の照射により酸化物中の電子のスピンの大きさが変化する“スピン転移”と呼ばれる現象が高速に起き、“スピンの塊り”ができることを、理論計算シミュレーションにより示すことに成功しました。つまり、磁石でないものに光を当て、どのようにして、どういう速さで磁石となるのかをクラスター型計算機で突き止めました。本研究の成果は、米国物理学会誌 Physical Review Letters オンライン版に公開されました。 |
本学加齢医学研究所の中山勝文助教、小笠原康悦教授(生体防御学分野)の研究グループは、接触性皮膚炎(金属アレルギー、薬物過敏症など)や移植免疫反応などに代表される遅延型アレルギーを抑制する、新たな細胞を発見しました。ナチュラルキラー(NK)細胞が樹状細胞からMHCクラスIIという分子を引き抜き、新たな細胞に変化。このMHCを獲得し細胞が変化(ドレスを着るように後天的に変化)したNK細胞(ドレス細胞と名づける)は、免疫応答を抑制することを明らかにしました。 |
Award-Winning 栄誉の受賞
07/05 流体科学研究所・佐藤岳彦教授が日本機械学会環境工学部門研究実績賞受賞 |