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第13号(2009年1月)
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東北大学の「研究」最前線
−「東北大学の新世紀」(東北大学−東日本放送共同番組)連携企画−

(※なお、掲載順序は原稿の到着順となっています)

「世界が認めた超高速ネットワーク 超高速通信技術の研究開発」

東北大学電気通信研究所
中沢 正隆 教授

先生がこれまで研究をなさっていて最も喜び・やりがいを感じたのは、どのようなときでしょうか。

私が最も喜び・やりがいを感じたのは自分のやってきたことが、本当に世の中を変え、新たな社会形成のために役立つと確信したときです。
先端的な研究をする中で、世界で初めては当たり前、しかし本当に世の中を変えましたかと問われると、難しいです。私は1度だけあります。それは光ファイバー通信にとってブレイクスルーをもたらしたといわれるEDFA(Erbium-doped Optical Fiber Amplifier:エルビウム添加光ファイバー増幅器)を研究開発したことです。励起光源として半導体レーザーを用いて小型高効率の光増幅装置を世界で初めて提案し実用化しました。この装置は世界中の光ネットワークに用いられており、太平洋の8000mの海溝にも敷設され、皆さんの海外とのインターネットなどのやり取りを助けています。それを経験できただけでも幸せな研究者だと思っています。

先生がこれまで研究をなさっていて最も苦労・苦心なさったのは、どのような点でしょうか。

研究は競争で、革新的でやりがいのあり魅力的なテーマをどうして見つけるかが重要です。問題提起が出来れば、後は失敗を恐れずやるだけです。人は皆同じだけ時間を持っていますが、人によってその成果に差が出るのはテーマの設定の違いです。今までの自分の全てを使ってテーマ設定をしていかなければなりません。自分に負荷のかからない軟弱なテーマはダメです。
それと研究は一人では出来ませんので、色々な人と協力してやる必要があります。しかし、それぞれ性格が違いますので、皆同じ目標に向かって意識あわせをしながら進めることも大変重要です。

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「人間って何だろう? 人々の『死生観』の探究」

東北大学大学院文学研究科
鈴木 岩弓 教授

先生がこれまで研究をなさっていて最も喜び・やりがいを感じたのは、どのようなときでしょうか。

多くの人文社会科学は、究極的には「人間って何だろう?」という素朴な疑問に発する人間追究だと思います。私は不可視の世界との関わりの中に成立する人間の宗教的営みを研究対象としていますが、その手掛かりは文献資料のみならず、私自身のフィールドワークの成果も多用します。
フィールドで出会った多様な人生を送ってきた人々と心が通う関係が成立し、その資料をもとに宗教行動の意味を解き明かせた時が"至福の時"です。

先生がこれまで研究をなさっていて最も苦労・苦心なさったのは、どのような点でしょうか。

私の問題関心の一つは、人々の「死生観」の把握にあります。しかし死や生をどのように考えるかといった他者の観念は目に見えるわけではありませんし、正面突破で聞いてもなかなか答えてくれません。
その行き詰まりに悩んだ末、私は位牌・墓・遺影といったモノに着目するようになりました。それらのモノを作り、そこへと関わる人々の行動の背後から死生観を探ろうとする発想は、今思えば簡単ですが、試行錯誤の末に至ったものです。

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