IEEE Jun-ichi Nishizawa Medalについて
西澤メダル授与母体である Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.(通称 IEEE、米国電気電子学会) は150ヶ国、36万5千人の会員を擁する、世界最大の技術専門国際学会です。電子工学、情報科学、コンピュータ、通信、家電、ロボット、電力、航空宇宙システムからバイオテクノロジー、ナノテクノロジーまでの広い分野をカバーしており、年間300以上の国際学会を開催しています。また、世界で発行されている電気電子工学・情報科学関連の文献の3割以上の発行に関わるとともに、900件以上の業界標準規格を開発しています。
IEEE本部管掌の表彰にはMedals, Technical Field Awards, Corporate Recognitions, Service Awards, Prize Papers, FellowshipsとStaff Awardsがあり、 Medalはその中で最上位の顕彰となります。現在、13種類のメダルが設定されており、その内の7つが主要専門分野における顕著な貢献に対して贈られるメダルとなっています。エジソンメダルと並んで西澤メダルもその内の一つです。
西澤メダルは、西澤潤一首都大学東京学長(元東北大学総長)の半導体基礎材料、デバイスから光通信、電力システムにおよぶ幅広い業績を称えるために、2002年に創設されたもので、「材料とデバイス科学技術または応用への多大な貢献」を受賞対象としています。選定には、技術レベルの他に、技術分野の発展、インパクト、社会への貢献などが評価されます。受賞者には、金メダル、銅製レプリカ、表彰状および賞金が授与されます。第1回目(2004年)の受賞者は、半導体レーザーとゲルマニウムの高速ICを開発した Dr. Frederick H. Dill(IBM、現在HGST)、第2回目(2005年)の受賞者は、ガリウム砒素/AlGaAsシステムの液相エピタキシャル法とその応用について顕著な業績をあげたDr. Jerry W. Woodall(Yale大学、現在Purdue大学)でした。第3回目(2006年)が半導体メモリ(DRAM)の基本技術を開発した小柳光正教授、角南英夫教授(広島大学)、伊藤清男博士(日立製作所フェロー)の共同受賞です。
小柳光正 教授 IEEE西澤メダル受賞 記念講演会・祝賀会パンフレット より |
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