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インタビュー

出雲 智子(いずも ともこ)
第27回 2011年6月27日更新 JA全農畜産生産部生産振興課・東北大学農学部 2008年卒業 出雲 智子(いずもともこ)

2004年東北大学農学部入学、東北大学応援団長に就任。
2008年東北大学100周年プレキャンペーンに参加、東北大学学友会特別賞を授与。
卒業後、東京大学農学部修士課程に入学 2010年同課程終了、JA全農へ入社し現在に至る。


フレ~~、フレ~~、東北大学!!女声ながら気迫のこもった力強い応援に、励まされた同窓生も多いのではないでしょうか。
出雲智子さんは、東北大学の長い歴史の中で、初の女性応援団長に就任。部員ゼロとなり廃部の危機に追い込まれた応援団を盛り立て、復活させた活躍ぶりは今も語り継がれています。

一歩、前に出ることで繋がった人の和。

大学1年の女子学生が応援団長に就任

なぜ応援団長になったのかと、よく聞かれます。一言で言えば、後先を考えずに「やらなくちゃ」と首を縦に振ってしまったことでしょうか。

きっかけは、新入生のオリエンテーションで、応援団OBだった先生にお声をかけて頂いたことです。「部員ゼロの状態なので廃部せざるを得ない今の状況を、何とか救ってほしい」と。そう言われて、「なくなるなんて大変だ」と勢いのままに「入部します」と返事してしまいました。

応援団について何も知らない自分だけがたった一人の部員とは、途方もないことでした。入部まもなく「東北地区大会に向けての壮行会の指揮を執ってください」と学友会から要請されました。学生歌を歌う際にタクトを振るのかと思ったら、壇上で「フレーフレー」とエールを切ることでした。あわててOBの方から特訓を受けて、何とか間に合わせましたが、これが私のデビュー戦でした。

誰か入部してほしいと思っていたら、「チアリーダーをやりたい」という東北大学医学部保健学科で看護学を学ぶ女子学生2名と経済学部生1名と知り合い、一緒に秋からグループ活動をすることにしました。しかし、音がないとダンスなどのパフォーマンスができないので、自分たちで楽譜を作成し、サックスが吹けるチアの女子が演奏するという状態でした。

翌年に男子1名、女子2名が入部し、その次の年には男子3名が入りました。ようやく太鼓もできるようになり、徐々に何とか応援団らしくなっていきました。

市民の皆さんからの、温かい眼差し。

東北大学の応援団は代々、川内記念講堂の前で練習をしてきました。私たちも、ここでよく練習をしたものです。やることが山積みでした。応援をする時の振りや歌、踊り、楽器の演奏などを先輩に教えてもらい、それを部員に伝えるようにしました。一人何役もこなすような時も度々ありました。

例えば七大戦(全国七大学総合体育大会)のような大会では、さまざまな試合会場を次々と巡回します。どの試合も気合いを入れて応援しなければならないので、体力勝負でした。

応援団の伝統行事の中で思い出深いのは、仙台駅で東北大学の入学試験会場へ向かう受験生にエールを送るイベントです。2月の寒い冬空の下、仙台駅のペデストリアンデッキで応援を始めると、行き交う人々の視線が集まります。毎年、このイベントを楽しみにされている方も多く、中には「がんばってね!感動したわ」とカンパや差し入れを下さる方もいらっしゃいました。私たちを温かく見守って下さる市民の皆さんに、私たちが応援されていました。春の入学式後に、キャンパスで「試験の時にエールを送ってもらい、励みになりました」と新入生から声をかけてもらうこともありました。そんな時は、胸が熱くなったものです。

思い切って、一歩、前に出てほしい。

東北大農学部生物制御機能学研究室で学びました。害虫駆除において、殺虫ではなく虫を誘因して、水田への侵入を防ぐ方法を研究していました。

大学卒業後、東大農学部の修士課程へ入り、応用昆虫学研究室で生理学やDNAの研究に取り組みました。そして、卒業後はJA全農へ入社。仕事は今、農協が関わる農場の経営管理や、和牛の受精卵の普及などに携わっています。

仕事を始めてまだ2年。未熟ではありますが、仕事に取り組む中でいろいろな課題が少しずつ見えてきました。例えば、時代とともに変化してきた食味の嗜好に関する評価軸や、規制の制度が現状とかみ合っていないことがあります。将来的には新しい価値の創造や、変革が難しい場合は幅を持たせるよう制度の見直しなどに取り組んでいきたいと考えています。

応援団活動によって、人の輪が広がりました。学内だけでなく他大学の応援団との絆も深まり、大学の垣根を越えた先輩、後輩関係を築くことができました。時には、他大学応援団OBの方から飲み会のお誘いを受けることもあります。経験豊富な大先輩のお話は、本当に勉強になります。

東北大学の学生は、誠実で一所懸命ですが、一歩、引いているような印象を与えがちではないでしょうか。誇りを持って恥ずかしがらずに、一歩、前に出る積極性を大切にしてほしいものです。そうすると、いろいろな方々が支援の手を差し伸べて下さいます。私が応援団活動を続けられたのも、この一歩、前に出るように努めたことで多くの皆さまに支えられたからだと思っています。


■東北大学学友会応援団のホームページ
http://seri.sakura.ne.jp/~kisyukai/Tohoku-Ouendan/




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