若き日の友情と感激の証
東北大学入学は一九六〇年、年初から安保改定問題で世情は騒がしく、入学早々待ち受けていたのは安保反対の学生運動でした。早速連日デモ行進に駆り出され、授業放棄やキャンパス封鎖など、六月半ば安保条約批准が国会で自動承認されるまでは学業も思うように進みませんでした。そんな中で出会った仲間との付き合いも半世紀を越し、二〇一〇年四月に五十数名で入学五十年の集いを行いました。集合場所は川内南キャンパスの中善並木です。 公器としての人材育成と就職援助
私たちの頃は二年次の途中から専門教育がはじまりましたが、それまでは教養部としてさまざまな学問の入り口を覗き、それらが人間形成の肥やしとなりました。現在、教養部は廃止されましたが、新しい国立大学法人として独自色を求める中で、全人教育をより濃くする工夫を考えていただきたいと願っています。ここ数年同窓会の運営を通して大学と関わっていますが、最近の文系就職状況を見るにつけ、大学院教育が多様化したことと相まって、学部卒就職について、①企業志望者が減少している②「東北大学」というブランドに頼り過ぎて「東北」という地の情報戦での不利が軽視されている③人材を送り出すのに学生の就活に任せ過ぎている④このままでは熾烈な就職競争に後れをとり結果的に優秀な新入生の確保にも支障を来すことになりはしないか、と危惧しています。 |
|
清水 廣行(しみずひろゆき) 1941年生まれ 出身学部/法学部 現職/東北大学法学部同窓会事務局長 関連ホームページ/ http://www.law.tohoku.ac.jp/dosokai |