まなびの杜43号
東北大学大学院薬学研究科  附属薬用植物園シリーズ1
セリバオウレン
青葉山にある東北大学大学院薬学研究科附属薬用植物園は、「全山の草木は、ことごとく薬草薬木」という理念に基づいて、狭義の薬用植物だけにとどまらず、多くの植物の収集・維持に努めています。その中から季節にあった幾つかを紹介しましょう。
 1番手は、キンポウゲ科のオウレン(黄連)です。オウレンは、根茎にアルカロイドを含み、古くから胃痛、下痢に効くため薬用として栽培されてきました。アルカロイドの本体、ベルベリンは黄色の物質で、植物名はこれに由来します。
 オウレンの葉形にはキクに似たものとセリの葉に似たものがあり、それぞれキクバオウレン(菊葉黄連)、セリバオウレン(芹葉黄連)と呼ばれています。キクバオウレンは北海道(西南部)、本州(日本海側)に自生、セリバオウレンは本州(太平洋側)、西日本に自生しています。セリバオウレンは青葉山にも自生しており、開花する3月中旬から4月初旬にかけて、明るい樹下で見つかることがあります。写真は薬用植物園で撮影したもので、同園では数千本の花茎が一斉に伸び、お花畑になります。
東北大学大学院薬学研究科 山添 康・早坂 英記