ライト兄弟がキティホークの丘で人類初の動力飛行をしてから約100年、今では飛行機は身近な乗り物になりました。
 ところで、ライト兄弟は初飛行の前、自転車に飛行機の模型を取り付けて走り回っていたのをご存知ですか?翼の形などを決める実験のためです。しかし技術は進歩し、飛行機は自転車より、ずっと速く飛べるようになりました。もう自転車は使えないため、考え出されたのが風洞装置です。トンネルの中に強力な送風機と飛行機の模型をおき、人工の強い風を模型に当てることで飛行機の状態を再現するのです。
 しかし…21世紀、技術はさらに進歩し、人工の風では、もはや大幅な性能向上は望めません。やはり、自然の風の中で実験しなくては。そこで私たちは、ライト兄弟のアイディアを借用し、自転車を無線操縦の電気自動車へ替えました。それに飛行機の模型を取付け、ここ宮崎県日向灘の海岸線に設けた、全長2キロのまっすぐな実験線をひたすら走ります。
 このような実験をはじめ、自然エネルギーのみで運行できる世界初の環境親和型高速輸送システムなどの研究に取り組んでいるのが、流体科学研究所の日向灘研究施設です。東北大学は、ここ南国宮崎でも、最先端の研究を行っていることを、少しだけ覚えていてください。

東北大学流体科学研究所日向灘研究施設
吉岡 修哉

webmaster@ltwt.ifs.tohoku.ac.jp


 

この『まなびの杜』は、インターネットでもご覧になれます。
アドレス

http://www.bureau.tohoku.ac.jp/manabi/
※バックナンバーもご覧になれます

『まなびの杜』をご希望の方は各キャンパス(片平、川内、青葉山、星陵、雨宮)の警務員室、附属図書館、総合学術博物館、植物園、病院の待合室などで手に入れることができますので、ご利用ください。
無断転載を禁じます。
『まなびの杜』は3月、6月、9月、12月各月月末に発行する予定です。
『まなびの杜』編集委員会委員(五十音順)
伊藤 弘昌 内山 勝 岡野 章一 川名 洋 齋藤 忠夫
佐藤 伸宏 田邊 いづみ 仁田 新一 堀井 明 山添 康
東北大学広報部広報課 高橋 豊志 菅原 公美子
『まなびの杜』に対するご意見などは、手紙、ファクシミリ、電子メールで お寄せください。
〒980-8577 宮城県仙台市青葉区片平2-1-1
TEL 022-217-4817 FAX 022-217-4818
Eメール manabi@bureau.tohoku.ac.jp

 ・版権は国立大学法人東北大学が所有しています。
 ・この用紙は、再生紙を使用しています。
編集後記

 例年になく寒い年初で2006年がスタートしました。今年は、家の外に出て行くまでもなく、家の中に居てもテレビや新聞に現れる話題が豊富で、なかでもマンション耐震設計の疑惑、ライブドア・東証機能マヒ、輸入牛肉検査、ルートキット組み込みCD、そして暖房器具不具合と生活の安全・安心に関わる出来事が降って湧いたように現れました。一旦このような事件が起きると、世間を騒がすだけでなく、多くの人に不安を与えます。これらの記事を読むたびに、人々の安心を得るために普段から安全を考え、方策を実施することの大切さを感じます。創立100周年を迎えて、従来にも増して革新的な技術の進歩へ寄与することが大学の使命であることは、当然ですが、新技術の安心・信頼への道筋を示すことも、豊かな社会を築くために東北大学ができることの一つと感じています。

『まなびの杜』編集員会委員  山添 康

 


ページの先頭へ戻る