私の勤務するローカル民放テレビ局は、今年2006年で開局30周年を迎えました。この間、多くの企業が販売する製品は時流に併せて大きく変化してきましたが、なぜかこの業界は販売するものには全く変化がありませんでした。
それが、地上波デジタル放送の開始によって大きく変わろうとしております。東京や、大阪、名古屋、富山、茨城などはもう始まっておりますが、東北地区では2005年12月から順次始まり、2011年の7月には、今皆で見ておりますアナログ放送が終了になり、デジタル放送のみとなります。それまでの間、民放テレビ局はデジタルとアナログの放送局を、つまり2つのテレビ局を持つ状態となります。
こうなりますと、社内の各所から人が足りないという声が沸き起こります。ところが、デジタル放送が始まった段階では収入が大幅に増えるという予想を立てる人は、残念ながら居りません。さらに、アナログ放送が終了の時点で、人が余ることになります。私たちは、このように2つの放送局を持っている5〜6年間に、事業の継続に必要だからと言って闇雲に人を採用するわけにはいきません。
ただいま私の勤務する会社では定時の来年度の採用、それから人員構成上どうしても必要な年代の中途採用の実務を行っておりますが、デジタル放送は初めて行うので過去の経験も、マニュアルもありません。未経験のことに勇敢に立ち向かい、かつ失敗を糧にして前に進もうとする意思を持つ人材を求めています。そんなときに、週刊ダイヤモンドの「出世できる大学」という企画が目につきました。東北大学は12位にランクされておりました。なんとなくほっとするような・・・。
ここでいう出世できる大学とは、歴史的な官製のヒエラルキーの中で、上方に位置するのが目的のところもあるとは思いますが、東北大学に限ってみれば、私の経験からしか言うことは出来ませんが、前述のようなアンチマニュアルタイプの人材の供給元になっているような気がします。
会社に勤めている期間を考えれば、人生が最も光っている20才台から60才くらいまでの、かつ24時間のうち最も活動できる八時間を費やすわけですから、単に生活のための経済的な基盤とだけ考えずに、もっと積極的な意義を見出すときに、仕事も楽しくなり、副次的に出世などというものも付いてきます。
未経験の新しいことに失敗を恐れずに挑戦する人材の育成と供給を、これからも東北大学にお願いしたい、と考えております。
|