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この『まなびの杜』は、インターネットでもご覧になれます。
アドレス
http://www.bureau.tohoku.ac.jp/manabi/
※バックナンバーもご覧になれます。
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『まなびの杜』をご希望の方は各キャンパス
(片平、川内、 青葉山、星陵、雨宮)の守衛室、附属図書館、総合学術博物館、理学研究科附属 植物園、病院(医病・歯病)の待合室などで手に入れることができますので、ご利用ください。 |
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無断転載を禁じます。 |
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『まなびの杜』は3月、6月、9月、12月各月月末に発行する予定です。 |
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『まなびの杜』編集委員会委員(五十音順)
伊藤 弘昌 榎本 武美 大隅 典子 岡野章一
梶谷 剛 行場 次朗 齋藤 忠夫
佐藤 秀夫 田邊 いづみ 仁田 新一
東北大学総務部広報課
田島 正幸 目黒 尚美 |
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『まなびの杜』に対するご意見等は、手紙、ファクシミリ、電子メールでお寄せください。
〒980-8577宮城県仙台市青葉区片平2-1-1
東北大学総務部広報課
TEL 022-217-4817 FAX 022-217-4818
Eメール manabi@bureau.tohoku.ac.jp |
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この用紙は、再生紙を使用しています。 |
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先日、雪舟展を見てきました。墨絵とは思えないゴージャスな絵画ばかりで驚きました。多くの作品はモノクロのはずなのに、描かれた岩や木々、鳥の羽などにどうしても鮮やかな色が見えてしまいます。それだけでなく、静止画には存在しないはずの風の感触や匂い、水や草の動きと音、動物たちの息づかいまで喚起されてきます。
私の専門は視覚心理学ですが、視覚や聴覚、触覚などの感覚体験(モダリティ)は大脳皮質のそれぞれ個別の領野の働きによって生じることが知られています。最近は、視覚の中でも、形や色、動きや空間位置などの情報は、モジュールと呼ばれる脳内の特別のユニットで独立に処理されることがわかっています。
良い芸術作品は簡単に国境を越えることができるといわれますが、雪舟の絵は、脳内の情報処理の観点からいっても、まさにマルチモダリティ体験やインターモジュール感覚を軽々と実現しています。これらは、今日のITやマルチメディア技術が目標としているところでもあり、雪舟の先駆性には感嘆してしまいます。
雪舟の代表的作品のほとんどが、明に留学した48歳以降のものであることも、高齢化社会に生きる研究者にとって大きな励ましとなります。
「まなびの杜」編集委員会委員 行場次朗
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