川内キャンパスの附属図書館向かいから、弓道部の部室横を通って 記念講堂の外側を周遊するかたちで支倉常長像を経由し、仙台市 博物館の前庭に至り、 キャンパスに戻って中善並木を通って図書館入り口付近に帰る約四キロの周回路が、 近代日本を代表する哲学者・ 阿部次郎名誉教授(一八八三〜一九五九年)を記念する散歩道です。 石田名香雄総長時代に、生誕百年を記念して大学と仙台市が協力して整備したものです。 散歩好きだった阿部先生の代表作『三太郎 の日記』にちなんで、「三太郎の小径」 と名付けられました。ハイデルベルクや京都の「哲学の道」を意識して、構想されたようです。
 樹木の種類も豊富で、四季を通じて楽しい散歩道です。とくに美 しいのは桜の頃、 新緑の頃と萩の花のこぼれる頃です。仙台国際セン ター越しに市の中心部を望むあたりには、 同郷の歌人・斎藤茂吉の歌碑があります。二人の友情を記念して一九九〇年に建てられま した。博物館の前庭には、俳句「白雲の行方を問はむ秋の空」と『三太郎の日記』 の一節を刻んだ阿部先生の生誕百年の記念碑があります。
 四季折々に散歩道を慈しみ、思索を楽しみましょう。

 大学院文学研究科教授長谷川公一


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伊藤 弘昌 榎本 武美 大隅 典子 大滝 精一 
行場 次朗  齋藤 忠夫 田邊 いづみ 仁田 新一  森 啓  渡邊 忠雄
編集後記

 創立100周年を2007年に迎えようとしている東北大学は、多くの人々のそれぞれの人生、 歴史とも繋がっております。今月号に紹介致しました、国立台湾大学長陳維昭先生からの エッセイは、仙台の地、東北大学で共有された学問研究の夢と育まれた友情とが柱となって、 国際交流と学問の発展の土台が築かれ、新しい希望の時代が実現 することを学ばされます。また、『まなびの杜』に期待してくださる在校生の父母である山根さんが、 東北大学研究教育振興財団の広報誌「樅の木」へお寄せ下さったお声も、『まなびの杜』の編集に係わる 者として嬉しく感じます。
 21世紀の歴史は、今つくられつつあります。地域に、社会に、世界に開かれた東北大学が、『まなびの杜』を通して1人でも多くの人々と共通の夢を持ち、その夢の実現のために共に歴史をつくっていければと願っております。
 市民の皆様の21世紀への夢と希望、東北大学への期待をお聞かせ下さい。
(『まなびの杜』編集委員会委員 渡 邊忠雄)