古写真でみる東北大学3
「チャペルのあるキャンパス」
「教養部講義室」(昭和34年)




 東北大学にもチャペルがあった? ……実はこれ、講義室なんです。
 江戸時代に仙台城、明治以降に第2師団が置かれた川内地区は、終戦後しばらく米軍のキャンプ地となっていました。その後東北大学に移管され、昭和33年から1・2年生が学ぶ教養部キャンパスとして使われ始めたのですが、当初、米軍キャンプ時代の施設をそのまま転用していました。写真のチャペルは、大講義室としてまさにうってつけの存在でした。ここで講義を受けた現役の先生方も多く、この建物を通してアメリカの生活を垣間みることができたそうです。
 川内キャンパスの風景はその後一変し、チャペルは跡形もなく消えてしまいました。米軍キャンプ時代の建物はほとんど取り壊されましたが、わずかに1、2棟の建物が、鉄筋コンクリート造の校舎の中に混じって、今も残っています。
(東北大学記念資料室室員 永田 英明)