平成16年4月1日
総 長 裁 定

 「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」(平成13年法律第140号。以下「法」という。)に基づく本学が保有する法人文書の開示請求に対しては、法第5条第1号から第4号までに規定する不開示情報(それぞれ1~4の解釈による。)を除き、原則として開示する。
 なお、この審査基準は、今後の実績を基に逐次整理する。

1.個人情報(法第5条第1及び第1号の2関係)

一 個人に関する情報(以下「個人情報」という。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日、その他の記述等から特定個人を識別することが可能な情報、又は特定個人は識別されないが、当該情報を公にすることによって個人の権利利益(名誉、感情等を含む。)を害するおそれがあるもの。
 個人情報には、個人の内心、身体、身分、地位等に関する事実、判断、評価等のすべての情報が含まれる。 当該情報を公にすることによって個人の権利利益を害するおそれがあるものとしては、個人の未発表の研究論文等がある。

二 国立大学法人東北大学個人情報保護規程(平成17年規第11号)第2条第8項に規定する独立行政法人等非識別加工情報又は第28条第3項に規定する削除情報。

【不開示と考えられるものの例示】

  1. 職員、学生の自宅住所、電話番号等
  2. 人事選考関係資料(氏名、職歴等)
  3. 健康診断、カウンセリングの記録
  4. 懲戒処分関係情報(氏名、懲戒内容等)
  5. 学生個人に関する情報(学籍(休学、退学等を含む。)、成績、教育・生活相談等の記録、卒業後の就職先等)

 ただし、個人情報であっても、次に掲げるものは、開示の対象となる。

  1. 1)法令の規定又は慣行として公にされ、若しくは公にすることが予定されている情報
  2. 2)人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要ああると認められる情報
  3. 3)当該個人が公務員等職員であり、その職務遂行にかかる情報のうち、公務員等の職及び職務遂行の内容にかかる部分

【開示と考えられるものの例示】

  1. 1)の例示
     ①研究者総覧
     ②叙勲、褒章受賞者名簿
  2. 2)の例示
     医薬品の安全性等の研究に携わった研究者の個人情報で公にすることが必要と認められるもの
  3. 3)の例示
     文書に付された本学職員の氏名、職名及び印影(非常勤職員も含む。)

2.法人等情報(法第5条第2号関係)

 法人その他の団体(国、独立行政法人等及び地方公共団体を除く。)に関する情報又は事業を営む個人の事業に関する情報で、次に掲げるもの。

 ただし、当該情報であっても、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報は、開示の対象となる。

  1. 1)公にすることにより、当該法人等又は個人の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあるもの。
  2. 2)独立行政法人等の要請を受けて、公にしないという条件で任意に提供されたもので、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているもの、また、公にしない等の条件を付すことが情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの。

【不開示と考えられるものの例示】

  1. 1)の例示
     ①「民間等との共同研究」等に関し相手方から提供されたノウハウ
     ②工事請負者施行成績一覧
  2. 2)の例示
     企画立案の資料、アンケートの回答等で公にしないとの条件が付されたもの

3.審議検討等情報(法第5条第3号関係)

 国の機関、独立行政法人等及び地方公共団体の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、これらの情報のすべてが不開示情報となるわけではなく、いずれについても「不当に」という限定が付されていることに十分留意するものとする。

  1. 1)公にすることにより、率直な意見の交換や意志決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるもの。
  2. 2)不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがあるもの。
  3. 3)特定の者に不当に利益を与え、又は不利益を及ぼすおそれがあるもの。

【不開示と考えられるものの例示】

  1. 1)の例示
     ①報告、答申等で現在検討・審議中のものの記録
     ②学部、学科等改組で現在検討中のものの記録
     ③人事選考(採用、昇任等)の記録
  2. 2)の例示
     入試制度改革素案(出題科目変更案等)
  3. 3)の例示
     ①キャンパス移転候補地リスト(地方公共団体との交換文書等)
     ②機種選定や仕様策定に係る検討記録

4.事務・事業支障情報(法第5条第4号関係)

 大学が行う事務又は事業に関する情報は、上記1~3(第5条第1号~第3号)に該当しない限り、原則として開示の対象となる。
  ただし、事務・事業情報のうち、次に掲げる情報は、不開示とする。

  1. 1)国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれのあるもの
  2. 2)犯罪の予防、鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれのあるもの
  3. 3)監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にし、又は違法・不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれのあるもの
  4. 4)契約、交渉、争訟に係る事務に関し、国若しくは地方公共団体の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれのあるもの
  5. 5)調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれのあるもの
  6. 6)人事管理に関する事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれのあるもの
  7. 7)国若しくは地方公共団体が経営する企業又は独立行政法人等に係事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれのあるもの

 また、上記1)~7)に掲げるおそれ以外に、「その他該当事務又は事業の性質上、事務又は事業の適切な遂行に支障を及ぼすおそれ」のある情報も、不開示情報とされる。
 上記1)~7)は、独立行政法人等及び行政機関に共通に見られる事 務・事業情報のうち、開示すると当該事務・事業の適切な遂行に支障を及ぼすことがありうるものの具体例を例示したものであり、上記に例示された事務・事業以外であっても、「当該事務又は事業の適切な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」は、同様に不開示情報に該当する。
 ただし、上記の「支障」や「おそれ」は、抽象的、名目的なものでは足りず、実質的に法的な保護に値する程度のものでなければならない。

【不開示と考えられるものの例示】

  1. 1)の例示
     ①学部入試、推薦入試、大学院入試等の出題者名簿
  2. 2)の例示
     ①入札前の予定価格、積算内訳書
     ②大学が当事者となっている訴訟(医療過誤訴訟等)に関する資料
  3. 3)の例示
     ①科学研究費補助金研究計画調書で採択前のもの又は不採択のもの
  4. 4)の例示
     ①人事異動原案
     ②人事選考(採用、昇任等)関係資料
     ③勤務評定関係記録
  5.  附 則

     この基準は、平成16年4月1日から実施する。

     附 則(平成30年2月27日改正)

     この基準は、平成30年2月27日から実施する。