東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻は、仙台市と連携し、文部科学省が運用を行う科学技術振興調整費のプログラム「地域再生人材創出拠点の形成」の一環として、平成二十二年十一月、「せんだいスクール・オブ・デザイン」を開講しました。これは、建築を学ぶ大学院生と、クリエイティブ産業に従事する社会人とが、共同でひとつの課題に取り組みながら、異業種との協働のできるクリエイターとしてのスキルを獲得するという教育プログラムです。 クリエイターの養成プログラム せんだいスクール・オブ・デザインの目的は、地域の活性化を図りうる人材として、さまざまな専門家と協働していく能力を備えたクリエイターを養成することです。養成の対象となる「クリエイター」とは、建築設計、アーバンデザイン、プロダクトデザイン、グラフィックデザイン、映像、音楽、コンピュータ・システムの開発など、新しいアイデアを創造することを仕事としている人たちを指します。 地域の課題をプロジェクトに せんだいスクール・オブ・デザインの受講生が取り組むプロジェクトのテーマは、メディア、環境、社会、コミュニケーション、国際、テクノロジーなど多岐にわたります。今年は、ウェブの時代にあえて紙の雑誌にできることは何か、分水嶺からビーチまであらゆる様相を見せる仙台の水環境をどう活用していくか、新たな地下鉄の開通にあわせた公共空間の価値を最大化させる企画は何か、公共交通網の利用体験をより豊かなものにするにはどうするか、などなど地域が直面する具体的な課題が設定されました。大学院生と社会人五十四名の受講生が混成チームとなって、クリエイティブな発想で解決策を模索していくべく、これらの課題に取り組んでいます。 |
本江 正茂(もとえ まさしげ) |