県立宮城病院の正門(右)と
木下杢太郎の文学碑(左)






キャンパス散策〔医学部構内〕

県立宮城病院旧正門と木下杢太郎(もくたろう)

大井龍司(大学院医学系研究科教授)

 附属病院敷地東南の角、4本の門柱に街灯と鉄の扉を配した門の前で、親子のこんな会話が聞かれた。
「父さん、大学病院って何となく恐いね」
「そんなことないよ。むしろ患者さんたちの憩いの場所がたくさんあるんだよ」
「ふーん。ところでこの門、かっこいいね」
「これはね、大学病院の前身、県立宮城病院の正門なんだよ。壊れかかっていたので、平成2年に復元されたんだ。門柱の赤煉瓦を見てごらん。これは明治末期に流行した”塩焼き煉瓦“というもので、ほとんど作られてなかったので、手に入れるのに大変苦労したそうだ。それに門柱の上のレトロ調の街灯はね、日光で自然に充電して、暗くなると自動的に点灯するんだ」
「そうか。次は医学部に行ってみようよ」
 医学部前庭をゆったりと歩く二人・ ・ ・ ・ 。
「ねぇ、父さん、この立派な石碑は?」
「これは有名な文学者・木下杢太郎の文学碑だよ」
「なぜそれがここに?」
「大正15年から12年間、医学部皮膚科の教授だった太田正雄先生のペンネームさ。昭和58年に、医学部110周年の記念事業の一つとして同窓会がこれを建立したんだ」
「何て彫ってあるの?」
「杢太郎自筆でね、晩年の詩”むかしの仲間も遠く去れば…”」



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編集後記
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 最近、急速に増えてきたのがインターネットでのWeb Pageによる紹介でしょう。東北大学のWeb Page はhttp://www.tohoku.ac.jp/で開くことができます。そこから学内の各学部・学科、さらには各教官個人のPageやクラブ・サークルのことまでも見ることができます。もちろん『まなびの杜』のページも開設されています。
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(まなびの杜編集委員 澤本 正樹)