三神峯公園
12億電子ボルト円形加速器

 

 理学研究科附属原子核理学研究施設(通称「核理研」)は、三神峯公園に隣接しています。この公園は、榴ヶ岡、西公園とならぶ仙台の桜の名所として知られております。桜の季節には多くの花見客が訪れ、職員の施設への入構もままならなくなるほどです。その喧騒も桜の季節の一時で、桜が散り若葉の芽吹く季節になると落ち着いた雰囲気が戻ってきます。
 外から見ただけでは古い建物が数棟建っているだけの核理研の地下には、長さ約60mの三億電子ボルト直線加速器と、周長が50mの12億電子ボルト円形加速器が設置されており、原子核物理や物質科学の研究が行われています。
 直線加速器の建設は一九六七年ですから、すでに35年以上が経過していますが、所員のたゆまない努力により現在でも電子ビームを実験に提供しています。円形加速器は1997年に完成したもので、現在、原子核をクォークのレベルで解明するために必要な測定器の整備が進められています。
 核理研では、数年に一度、一般公開を催し装置や研究内容をわかりやすく紹介しています。また、施設の概要や研究内容についてはインターネット(http://www.lns.tohoku.ac.jp)でも見ることができますので、ぜひ一度、ご覧になって下さい。
              玉江 忠明(大学院理学研究科附属原子核理学研究施設助教授)

 

 

この『まなびの杜』は、インターネットでもご覧になれます。
アドレス

http://www.bureau.tohoku.ac.jp/manabi/
※バックナンバーもご覧になれます

『まなびの杜』をご希望の方は各キャンパス(片平、川内、青葉山、星陵、雨宮)の警務員室、附属図書館、総合学術博物館、理学研究科附属植物園、病院(医病・歯病)の待合室などで手に入れることができますので、ご利用ください。
無断転載を禁じます。
『まなびの杜』は3月、6月、9月、12月各月月末に発行する予定です。
『まなびの杜』編集委員会委員(五十音順)
伊藤 弘昌 榎本 武美 大隅 典子 岡野章一
梶谷  剛 行場 次朗 齋藤 忠夫 佐藤秀夫
田邊 いづみ  仁田 新一
東北大学総務部広報課
田島 正幸 目黒 尚美
『まなびの杜』に対するご意見等は、手紙、ファクシミリ、電子メールでお寄せください。
〒980-8577宮城県仙台市青葉区片平2-1-1
東北大学総務部広報課
TEL022-217-4817 FAX 022-217-4818 Eメール manabi@bureau.tohoku.ac.jp
この用紙は、再生紙を使用しています。
編集後記

 「まなびの杜」創刊から6年目を迎えます。皆さまのご支援により何とか続けて来ることができました。厚くお礼申し上げます。ところで、昨年秋に『まなびの杜−知的探検のススメ−』が東北大学出版会から刊行されました。創刊号から18号までの内容を読みやすく編集したものです。手前味噌になりますが、多様な分野の研究内容が分かりやすく解説されており、まさに「知の杜」をゆったりと散策しているような気分にさせられます。大変ご好評をいただいており、一般書店にもおいてありますので、ご覧いただければ幸いです。
 ついでにもう一冊。これも昨年刊行された『ビューティフル・マインド』がおススメ。1994年にノーベル経済学賞を受賞した、J.ナッシュの波乱に富んだ物語です。優れた業績により20代で天才と呼ばれたナッシュは、30歳で精神分裂病にかかり、以後30年間この病に苦しみますが、その後奇跡的に回復し、66歳でノーベル賞を授与されます。授与決定までの経緯もかなり詳しく書いてあり、決定がどのように行われるのか、その一端をかいま見ることもできます。これがなかなか面白くて、田中耕一さんのときはどんなドラマがあったのかな、と想像しながら読むといっそう楽しめます。 

 『まなびの杜』編集委員会委員 佐藤 秀夫


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