まなびの杜       
市民の皆さまへ
総長メッセージ
国際都市「仙台」と共に
総長 吉本 高志=文
text by takashi yoshimoto

 昨年、平成十四年十一月に阿部博之先生の後任といたしまして、第十九代東北大学総長に就任いたしました。よろしくお願いいたします。「まなびの杜」は、仙台市民の皆様に、東北大学のいろいろなことをご紹介し、大学をもっとご理解いただくように、各研究科の教授陣が中心となり編集している小冊子です。年四回発行しておりますが、今後も市民の皆さまのご期待に応えられる編集をめざしていきたいと願っています。
 さて、国立大学は、いま大きな改革の中にあります。名称だけを見ましても、明治四十年創立時は、東北帝国大学、戦後の学制改革により東北大学、そして、来年、平成十六年四月には国立大学法人東北大学と変わります。大学は自主性、自律性を持ち、活力に富み、世界に向けての優れた競争力を持った展開が求められております。このために、第三者機関による評価を受け、すべての国立大学が競争的環境におかれます。
 東北大学は、「研究第一主義」、「門戸開放」の開学以来の理念の下、世界的研究教育拠点を目標にこれまで日常の活動を行ってきました。「東北大学にとって、法人化はその自主性を大いに発揮する絶好のチャンスであり、改革と整備に努める」との前総長の基本方針をこれまで実行してまいりました。いよいよその施行も間近となり、教職員一同心を新たに努力している最中であります。
 さてそんな中、昨年十二月の終わりに、本学で研究生活を送っている外国人研究者の方々と本学教官との、お子さんも一緒のご家族とともに、年一回の親睦会が行われました。四百名にも及ぶ参加者で、会場は大変な熱気でした。翌日改めて、東北大学の外国人研究者の受け入れ状況を調べましたところ、平成十三年度は、六十六カ国から、千三百二十三名でした。さらに留学生は、一千名以上在学しております。新年に、来学中のシドニー大学の教授と会う機会があり、親睦会のことが話題になりました。その方は、東京と比べると仙台は大変暮らしやすいと喜んでおりました。二歳の子供をつれて外出しますと、仙台の人々は必ず声をかけてくれるそうです。
 国際都市「仙台」に東北大学が貢献をしていることをうれしく思います。これからも、よろしくご支援をお願い申し上げご挨拶といたします。

 

よしもと たかし

1942年生まれ
現職:東北大学総長
専門:脳神経外科学

 


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